2023.02.24スタッフブログ
こんにちは。
家づくりサポーター酒井です。
よく無垢材を使った方が健康な家づくりができると
聞きますよね。
実際にどうなのか確かめていきましょう。
今回は木材とダニについてのお話しです。
ハウスダストが気になる方やアレルギーをお持ちの方は
是非ご覧くださいね、
気管支喘息やアトピー性皮膚炎などを悪化させる原因ともいわれるダニ。
室内塵中には約100種類以上のダニが発見されています。
その中で生息数も多いのが
チリダニの一種であるヤケヒョウヒダニやコナヒョウヒダニ。
体長1㎜にも満たない小さなダニのため気管支の奥まで届きます。
そして気管支にできた炎症を悪化させてしまうため、
気管支喘息やアトピー性皮膚炎などの原因となります。
日本では6月~8月にかけて成虫になったダニが
約50~100つの卵を産み付け繁殖していきます。
その後、ダニが9月~10月に死んで、
アレルギーの原因が増加するため、
9月~10月にぜんそくなどの発作が最も高くなるようです。
このようなアレルギー症状を減らしていくには
悪化させる原因を取り除くこと。
つまりダニやダニの死がいを減らすことが重要となってきます。
そのためには、日常でできることは、掃除をしっかりすること。
こまめに布団などを天日干ししたり、掃除機をかけたりすることが大切です。
では、私たちは掃除をすることだけでしか、
アレルギーの原因となるダニを減らすことは出来ないのでしょうか?
日本ではダニを退治する方法について研究がされてきました。
殺虫剤などは開発されていましたが、
1990年ごろに健康面に配慮して殺虫剤ではなく
体に優しいものでダニを退治できないかと、
植物がダニに与える影響を研究がなされてきました。
その中で研究者の方が注目したのが屋久杉です。
屋久島に生息する屋久杉は樹齢千年以上。
この屋久杉が数百年前の江戸時代に伐採され
その切株が今でも腐らずに残っています。
なぜかというと、木材の腐朽菌に
つよい成分や害虫に食われにくい殺虫成分を、沢山含んでいるからです。
そしてその中の香り成分(精油成分)には室内チリダニに対して
強い殺ダニ作用があることが分かったのです。
また、調べていくとこの成分は屋久杉だけに含まれているわけではなく、
建材に使用されるヒノキ、ベイヒバ、ベイスギ、アカマツなどのにおいにも
強い殺ダニ作用が含まれていることが分かりました。
[出典]木の匂いでダニを防ぐ – 一般財団法人 日本木材総合情報センター (jawic.or.jp)
木材精油成分の殺ダニ活性
精油を1cm2当たり32μg濾紙にしみこませた上でダニを飼育したときの殺ダニ率
(谷田貝光克、臭気の研究、27,260(1996))
上の図からも分かるようにどの材でも
3日目では殺ダニ率が75%にもなっています。
木材の香り成分を上手く使いながら建築すると
ダニの繁殖を防ぎ減らすことができるでしょう。
では木材を使うことによって
そのような変化がうまれるか確認してみましょう。
次のグラフはある2LDKのマンションに住む5人家族のうち
3名がダニ抗原に反応を示す気管支喘息および、
アトピー性皮膚炎患者の家で計測したものになります。
集合住宅の床をカーペットや畳から
ナラ材などの木のフローリングに改装しました。
改装前と後において
毎月ごとにベッド、ソファーなどの塵を採取してダニの数を調べた
グラフになります。
[出典]木の床はダニに強い – 一般財団法人 日本木材総合情報センター (jawic.or.jp)
床上のダニ数の月別比較(p<0.05)
(高岡による)
[出典]木の床はダニに強い – 一般財団法人 日本木材総合情報センター (jawic.or.jp)
木の床への改装前・後のダニ数
ダニの最も繁殖する8~9月に測定。
(高岡正敏、アレルギーの臨床、9,20(1989))
これを見ると改装後には104匹から23匹までダニが減っているのがわかります。
なぜ減ったのか?理由は3つほど考えられます。
1つ目は先ほどお伝えした
木材に含まれる香り成分(精油成分)が有効に働いて殺ダニ効果が発揮されたから
2つ目は
ダニにとって木の床とは何の隠れ場所もない
木の床が物理的にダニが住むには不利であること。
3つ目は
湿度が関係しています。
湿度について詳しく見ていきましょう。
木材は調湿効果があると良く聞きますよね。
木材は空気の湿度が高いときには水分を吸収し
湿度が低いときに水分を放出するという調湿効果をもっています。
木材を建物内に沢山つかうと
部屋の中の湿度の変動は小さくなります。
[出典]木材は人にやさしい:林野庁 (maff.go.jp)
林野庁HPより
上の図を見るとビニールシートは湿度が一日で安定してないのに対して
木材をつかうと湿度が50%前後で安定していることが分かります。
人間にとって室内の湿度は夏は50~60%、
冬は40~50%が快適といわれているため
数字から見ても暮らしやすい環境になっていることが分かります。
この室内の湿度がダニにも関係してきます。
ダニにも快適な環境があり、湿度約60%以上の高温多湿が大好きです。
現在の住宅と比べて、
昔の木造住宅はすきま風がして寒い!よく聞きますが、
このすきま風が夏には空気の流れをつくり部屋の隅に湿気が溜まらないように
調整してくれていました。
しかし今は高気密高断熱が主流です。
ですので、換気をしたり、換気扇を回したり自分で何かをしない限りは
空気の流れができません。
そこで木の床の出番です。
調湿作用のある木の床が湿度を適度に調節し
ダニに有利な高湿の状態を減らしてくれます。
それによりダニの量が抑えられるのです。
・木の香りには殺ダニ効果が含まれている
・木の調湿効果により湿度を調整しダニを減らすことができる
・掃除をするだけではなく、家づくりにおいてダニは減らすことができる。
このように、1つ1つピックアップして見ていくと
木にはいろいろな効果がありましたね。
家づくりにおいてダニの繁殖を抑えることで
日常の日頃のお掃除が少し楽になるかもしれません。
そして大切なのはその木の効果を
ちゃんと活かす家づくりができるかということです。
どれだけ木を使っていてもその木に塗装をしていると、
調湿効果が十分に発揮できないケースもあります。
木材について詳しい住宅会社さんと相談しながら
いっしょに家づくりをしていかれるのをおすすめいたします。
今村工務店でも当社オリジナルのここち床
無垢材をつかった床で家づくりをしております。
ここち床はショールームで体験できますので、
ぜひお気軽に遊びにきてください。
・林野庁 木材は人にやさしい
(https://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/kidukai/con_2_2.html)
・森林・林業学習館 木材と住環境
(https://www.shinrin-ringyou.com)
・(一般)日本木材総合情報センター 木net~木と森の情報館
(https://www.jawic.or.jp/health/kenkou9.php)
・大矢 幸弘 「子どものアレルギー」2017年12月
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